ネット削除の裁判の判決一覧

2022年

2022年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
10月20日 東京高裁 杉田水脈・自民党衆院議員
【敗訴】
ジャーナリストの伊藤詩織
【勝訴】
損害賠償220万円を請求 杉田は損害賠償55万円を払え(請求を退けた一審判決を変更)。

杉田は2018年6~7月、ツイッター上で「枕営業の失敗」「ハニートラップ」「売名行為」などと伊藤氏を中傷した第三者の投稿計25件に「いいね」を押した。

これに対し、伊藤氏が「名誉感情を傷つけられた」と提訴。2022年3月の一審・東京地裁判決は、「いいね」について「感情の対象や程度は特定できず、非常に抽象的、多義的な表現行為にとどまる」として、伊藤氏の請求を棄却した。

高裁判決も、「いいね」がブックマークなど、好意的な評価以外にも使われるとの一審判決の判断は維持しつつ、「いいね」が好意的なものかを判断するには「押した人と投稿で取り上げられた人の関係や、経緯も検討する必要がある」とした。

そのうえで、杉田がネット番組で伊藤氏を揶揄(やゆ)し、英BBCの番組でも「女として落ち度がある」と批判していたことなどに着目。さらに杉田が「いいね」を押した投稿は「総じて、さしたる根拠もなく伊藤氏が性被害を受けたとの事実を否定した上で、揶揄、中傷し、人格をおとしめようとするもの」と指摘し、「積極的に名誉感情を害する意図のもとに押された」と判断した。

判決は、杉田が約11万人(当時)のフォロワーを持つ国会議員で「発言には一般人に比較し得ない影響力があり、『いいね』を押す行為も同様だと認められる」と述べ、「社会通念上許される限度を超えた侮辱行為と認められる」と結論づけた。

伊藤氏は判決後、「『いいね』は指先ひとつでできてしまう。だが、誹謗(ひぼう)中傷で傷ついている人にとってどれだけ苦しいことか、判決で示して頂けた」と述べた。

原告側によると、「いいね」の違法性が認められたのは初めてとみられるという。
6月30日 東京高裁 タレント・ほんこん
【敗訴】
作家・室井佑月さん
【勝訴】
損害賠償550万円を請求 損害賠償11万円を払え。

ほんこんは2020年5月、愛知県内の会社が製造する「日の丸マスク」をめぐり、「室井佑月らの中傷で日の丸マスクが製造中止に」と題するネット記事を、タイトルとともにツイッターで拡散。同じ日に「何故(なぜ)こんな事(こと)を」などのコメントをつけて再び投稿した。

2020年

2020年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
7月21日 最高裁 米Twitter
【敗訴】
男性写真家(北海道)
【勝訴】
画像のリツイートによる著作者の氏名表示権の侵害 リツイートした人物のメールアドレスを開示せよ!
6月29日 東京高裁 米Twitter
【勝訴】
男性(東北地方)
【敗訴】
逮捕歴のツイートによるプライバシー権侵害 削除請求を棄却(一審の判決を取り消し)

=>原告が最高裁に上告
6月26日 東京地裁 米Twitter
【敗訴】
男性(神奈川)
【勝訴】
なりすましアカウント(偽アカ)による肖像権侵害 偽アカ開設者の携帯電話番号を開示せよ!
6月23日 大阪高裁 岩上安身(ジャーナリスト)
【敗訴】
橋下徹(元大阪府知事)
【勝訴】
リツイートによる名誉毀損 損害賠償33万円を払え!
(一審判決を支持)

2019年

2019年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
10月11日 東京地裁 米Twitter
【敗訴】
男性(東北地方)
【勝訴】
逮捕歴のツイートによるプライバシー権侵害 削除せよ!

=>2020年に高裁で取り消し

2018年

2018年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
10月30日 東京高裁 ヤフー
【敗訴】
男性(東京)
【勝訴】
虚偽記載を検索結果に表示することによる名誉毀損 検索結果11件の削除の仮処分命令(一審を支持)
3月19日 さいたま地裁 米Twitter
【敗訴】
飲食店経営の女性(埼玉)
【勝訴】
なりすましアカウント(偽アカ)による名誉毀損 偽アカのアカウント削除の仮処分命令

2017年

2017年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
1月31日(一気に4件について判断示す) 最高裁 米Google
【勝訴】
逮捕歴のある男性
【敗訴】

※2011年に児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕
逮捕歴の表示によるプライバシー権の侵害 削除しなくていい!(高裁の判断を支持)

地裁〇

高裁×

最高裁×
米Google
【勝訴】
男性
【敗訴】
【サジェスト】無関係の犯罪を連想させる単語が自動的に表示される。さらに、中傷する事実無根のサイトにたどり着くなどのといった名誉毀損 1審・東京地裁は男性の訴えを認め、慰謝料30万円の支払いも命じたが、2審・東京高裁は男性の逆転敗訴とした。

地裁〇

高裁×

最高裁×
米Google
【勝訴】
男性
【敗訴】
【サジェスト】犯罪を連想させる単語が自動的に表示されることによる名誉毀損 削除しなくていい!

地裁×

高裁×

最高裁×
米Google
【勝訴】
逮捕歴のある男性(京都)
【敗訴】
検索結果に、2012年に盗撮容疑で逮捕されたことが表示されることによるプライバシー権の侵害、名誉毀損 削除しなくていい!

京都地裁×(ヤフーは2014年8月7日、グーグルは2014年9月)

大阪高裁×

最高裁×
ヤフー
【勝訴】

2016年

2016年
年月日 裁判所 被告 原告 原告の請求 判決
7月22日 東京高裁 米Google
【勝訴】
男性(埼玉県)
【敗訴】

2011年11月に児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕された。同年12月に罰金50万円の略式命令を受けた。
逮捕歴の表示による人格権(忘れられる権利)の侵害 さいたま地裁の削除命令(2015年12月)を覆し、男性の削除請求を退ける決定
=>翌年、最高裁も同様の判断。

地裁〇

高裁×

最高裁×

参考:逆SEO